受験先を選ぶとき、県庁所在地の市役所は真っ先に候補に挙がります。 その県でいちばん大きい市で、庁舎も人員も他の市より大きい。 給料も県内で一番だろう、と考えるのは自然です。

この記事では、県庁所在地の市役所46市を取り出して、 同じ県の他の市区町村と並べたときに何位にあたるのかを確かめます。

数値は総務省「地方公共団体別給与等の比較」(令和7年)の 一般行政職の平均給与月額に、期末・勤勉手当の年額(実額)を加えて 年収に換算した値(公表値からの換算)です。 換算方法はデータの出典と算出方法に記載しています。

東京都は入れていません。都庁があるのは新宿区ですが、 新宿区は「県庁所在地の市」という枠組みには乗らないためです (東京23区については特別区の記事を参照)。

平均で比べれば、県庁所在地は高い

区分 件数 平均年収 中央値 最高 最低
県庁所在地の市 46 674万円 674万円 750万円 589万円
それ以外の市区町村 1,695 616万円 611万円 771万円 484万円

平均では県庁所在地が上回ります。ここまでは予想どおりです。

ただしこれは「県庁所在地だから高い」ことを意味しません。 県庁所在地は例外なくその県で人口の多い市であり、 規模の大きい組織ほど年収が高い傾向は 民間でも公的機関でも共通して見られます。 県庁所在地であることと、規模が大きいことは分けられません。

同じ県の中で並べると、半分以上は1位ではない

そこで、それぞれの県庁所在地が、同じ県の市区町村の中で何位なのかを数えました。 政令指定都市を兼ねる市も、読者にとっては「その県の中の選択肢」なので同じ列に並べています。

市の数
県内で1位 23
1位ではない 23
合計 46

県内順位の中央値は2位、最も低い市で県内14位でした。

「県庁所在地なら県内で一番高い」は、半分程度しか当たりません。 県庁所在地を第一候補にしている人は、 同じ県の中にそれを上回る市がないかを先に確かめる価値があります。

県庁所在地の市 年収ランキング

順位 市 平均年収(換算)
1 さいたま市役所 750万円
1 千葉市役所 750万円
3 名古屋市役所 748万円
4 神戸市役所 747万円
5 横浜市役所 735万円
6 大阪市役所 733万円
7 京都市役所 717万円
8 仙台市役所 707万円
8 大津市役所 707万円
10 奈良市役所 705万円
11 広島市役所 703万円
12 岡山市役所 700万円
13 富山市役所 696万円
14 津市役所 690万円
15 岐阜市役所 689万円
16 宇都宮市役所 686万円
17 福岡市役所 685万円
18 山口市役所 684万円
19 和歌山市役所 683万円
20 長野市役所 681万円
21 新潟市役所 680万円
22 山形市役所 678万円
23 水戸市役所 677万円
24 静岡市役所 672万円
25 福井市役所 669万円
25 高松市役所 669万円
27 徳島市役所 668万円
28 前橋市役所 661万円
28 金沢市役所 661万円
30 松山市役所 657万円
31 福島市役所 650万円
32 大分市役所 649万円
33 佐賀市役所 647万円
34 甲府市役所 646万円
35 鹿児島市役所 645万円
36 熊本市役所 644万円
37 札幌市役所 640万円
37 松江市役所 640万円
39 高知市役所 637万円
40 長崎市役所 636万円
41 鳥取市役所 632万円
42 青森市役所 628万円
43 宮崎市役所 624万円
44 盛岡市役所 620万円
45 秋田市役所 608万円
46 那覇市役所 589万円

なぜ県庁所在地が1位にならないのか

県庁所在地を上回る市には、共通する条件があります。

ひとつは地域手当です。県庁所在地より通勤圏の都市部にある市のほうが 地域手当の支給率が高いことがあり、その差がそのまま年収に出ます。 公務員の年収差はほぼ地域手当で決まるで詳しく扱っています。

もうひとつは職員構成です。平均給与月額は在職者の平均なので、 採用を絞って平均年齢が上がった団体ほど高く出ます。 規模が大きい市は若手の採用数も多く、平均が押し下げられます。

いずれも「県庁所在地かどうか」とは独立した要因です。 受験先を規模や知名度で絞り込む前に、 自分が受ける県の一覧で実際の数字を見てください。

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