年収ナビは、公表されている一次資料だけを使って年収データをまとめています。 このページでは、どの数値をどこから取得し、どこからが推計なのかをすべて開示します。
数値は「実額」「公表値からの換算」「推計」のどれかを各ページに明示しています。 出典を示せない数値、算出根拠を説明できない数値は掲載しません。 公表された月額と賞与から年収にした値(地方公務員・職種別)は「公表値からの換算」、 年齢別の年収や手取りのように公表値が無い部分を仮定で補ったものは「推計」と書いています。
1. 上場企業の平均年収
取得元
金融庁が運営する EDINET(金融商品取引法にもとづく有価証券報告書等の開示システム)から、 各社が提出した有価証券報告書の「第1 企業の概況/5 従業員の状況」に記載された値を機械的に取得しています。
| 項目 | 有価証券報告書での名称 |
|---|---|
| 平均年収 | 平均年間給与 |
| 平均年齢 | 平均年齢 |
| 平均勤続年数 | 平均勤続年数 |
| 従業員数 | 従業員数 |
この数値が意味すること
- 提出会社(単体)の数値です。 連結子会社を含む企業グループ全体の平均ではありません。 持株会社の場合、対象は持株会社に在籍する数十人だけということもあります。
- 賞与および基準外賃金を含みます。 有価証券報告書の「平均年間給与」は、 賞与・時間外手当を含む年間の給与総額の平均です。
- 正規従業員が対象で、臨時従業員は含まれないのが一般的です。
- 役職・年齢・職種による差は反映されていません。 あくまで全従業員の平均です。
対象範囲
有価証券報告書の提出義務がある企業(主に上場企業)が対象です。 提出義務のない非上場企業は平均年収が公表されていないため、掲載していません。
2. 地方公務員の給与
取得元と算出式
総務省が公表している 「地方公共団体別給与等の比較」(地方公務員給与実態調査にもとづく)から取得しています。
- 都道府県 47団体
- 指定都市 20団体
- 市区町村 1,721団体(指定都市を除く)
この調査が公表しているのは平均給与月額であり、年収そのものではありません。 そのため年収ナビでは、次の式で年収に換算しています。
年収(換算) = 平均給与月額(給料 + 諸手当) × 12 + 期末手当 + 勤勉手当(いずれも年額)
期末手当・勤勉手当(いわゆるボーナス)は、同じ調査の「④期末・勤勉手当の支給状況」に 団体ごとの実額が公表されているので、それをそのまま加えています。
2026年9月まではここで 4.45ヶ月という標準的な支給月数を平均給与月額に掛けていましたが、 手当の算定基礎は平均給与月額ではありません(時間外勤務手当・住居手当・通勤手当は 算定基礎に入りません)。そのため旧方式は年収を平均で約16万円(2.6%)高く見積もっていました。 実額に切り替えたことで、市区町村の平均は611万円から592万円になりました。
退職手当(2026年9月に追加)
同じ調査の「⑤退職手当の支給状況」から、団体別の平均支給額の実額を取り込んでいます。 推計ではなく、公表されている数値を千円単位から万円単位に換算しただけです。
- 定年退職者等の平均支給額 と 全退職者の平均支給額 の2つを持っています
- 母集団は年収と同じ一般行政職です
- 参考として全職種の値も保持しています
限界が2つあります。
- その年に退職した職員の平均であって、制度上の支給水準ではありません。 一般行政職に限ると対象人数が少ない団体があり、単年で大きく振れます
- 市区町村は382団体しか集計できません。 その年に一般行政職の定年退職者が いなかった団体では数値が公表されないためです。集計できる団体は規模の大きい 自治体に偏るため、平均は1,721団体全体の水準よりやや高く出ます
年収換算には使っていません。退職手当は年収とは別の数字として扱っています。 詳しくは公務員の退職金はいくらかで説明しています。
退職金の計算(2026年10月に追加)
公務員の退職金の計算は、総務省の実額ではなく法令の式から計算しています。
- 支給率・調整率(83.7%)・調整額:国家公務員退職手当法(第3条〜第6条の4、附則第6項〜第8項)と 同法施行令の別表第一(行政職俸給表(一)の職務の級と調整額の区分)。e-Gov 法令検索の現行の条文によります
- 税金:国税庁 タックスアンサー No.2732「退職手当等に対する源泉徴収」(退職所得控除・短期退職手当等・102.1%)と、 住民税の分離課税(10%)
- 地方公務員の退職手当は自治体の条例で決まります。支給率・調整率は国とほぼ同じですが、 調整額の区分は自治体ごとに違うため、目安として示しています
退職者数の推移(2026年10月に追加)
地方公務員の退職者は本当に増えているのかは、 総務省「地方公務員の退職状況等調査」の平成25年度〜令和6年度の調査結果(詳細)の 第1表(職種別事由別離職者数)と第5表(普通退職者の年齢)の合計の行を使っています。 PDF の表は文字として正しく取り出せないため、表を目で読んで転記し、 年度ごとに内訳の合計が総数と一致することと、第5表の人数が第1表の 「普通退職 − 在職期間の通算を伴う退職等」と一致することをビルドのたびに確かめています。 職員数は総務省「地方公共団体定員管理調査」の各年4月1日現在の値です。
首長の給料月額(2026年9月に追加)
同じ調査の「⑦知事、副知事の平均給料月額」(指定都市・市区町村は市長・区町村長)から、 団体別の実額を取り込んでいます。1,788団体すべてに付いています。
これは給料月額であって年収ではありません。手当も期末手当も含まない、 条例で定められた基本の月額です。そのぶん、同じ調査の 職員の平均給料月額とそのまま比べられます。
条例で自主減額している団体では、減額後の額が載っています。 減額前の額はこの調査からは分かりません。 詳しくは知事・市長の給料は職員の何倍かで説明しています。
この換算の限界
- 対象は一般行政職です。 技術職・保育士・消防職・警察職などは含まれません。 これらは別の給料表が適用され、水準も異なります
- 月額と賞与で母集団が違います。 平均給与月額は一般行政職の値ですが、 期末・勤勉手当の実額は全職種の値です。両者を組み合わせているため、 一般行政職だけを取り出した実額とは差が生じます。 この差で倍率が現実離れする少数の団体(3団体)は、全団体の中央値で代用しています。
- 時間外勤務手当は含まれますが、平均です。 調査の「平均給与月額」は 給料月額に諸手当(地域手当・扶養手当・住居手当・時間外勤務手当など)を加えたものです。 残業の多い部署の職員は実際の支給額がこれを上回り、少ない部署では下回ります
- したがって、地方公務員の年収は、公表された月額と賞与を組み合わせた公表値からの換算です。各ページでも「公表値からの換算」と明示しています。
2026年9月にデータ源を変更しました
以前は出典が不明確な数値を掲載していました。総務省の公式データと照合したところ、 284件すべてで値が一致せず、最大104万円の開きがありました。 そのため公式データで全面的に置き換え、あわせて収録団体数を284から1,788に拡張しています。 以前の数値を参照されていた場合はご注意ください。
3. 国家公務員・中央省庁・その他の公的機関
国立大学法人・独立行政法人・特殊法人等(実額)
国立大学法人と独立行政法人は、毎年「役職員の報酬・給与等について」を公表しています。 国立大学法人(全法人)と掲載しているすべての独立行政法人は、この資料(令和6年度)に載っている 常勤職員の平均年間給与・平均年齢・人員をそのまま掲載しています。 同じ様式で公表している日本年金機構(特殊法人)と日本銀行(認可法人)も同様です。 「常勤職員」には、年俸制の職員・任期付きの職員・再雇用の職員は含まれません。
- 給与は法人単位で公表されているため、複数の大学を運営する法人(東海国立大学機構など)は法人全体の数字です
- 国立天文台は単独の公表が無いため、国立天文台を含む自然科学研究機構全体の数字です
- 「国立大学法人教員(教授)」「(准教授)」は、職位別の表を公表している国立大学法人の教授・准教授の平均年間給与を、人数で重みづけして平均したものです
公表資料で平均年間給与を確かめられない法人(NHKなど)は、2026年10月に掲載をやめました。
中央省庁
府省ごとの平均給与は人事院・内閣人事局とも公表していません。 府省別のページには、人事院の「モデル給与例」(実額)と内閣人事局の常勤職員数(実数)を載せています (以前は出典のない推計年収を載せていましたが、2026年10月に掲載をやめました)。
非上場企業
非上場でも有価証券報告書を提出している会社(サントリーホールディングス・森ビル・イオンモール・ニュー・オータニ)は、 上場企業と同じく有価証券報告書の「従業員の状況」の実額を載せています。 テレビ朝日は、親会社テレビ朝日ホールディングスの有価証券報告書の「最大人員会社の状況」に載っている値です。
外資系企業の日本法人・コンサルティング会社など、有価証券報告書が無く平均年収が公表されていない会社は掲載していません (以前は出典のない推計年収を載せていましたが、2026年10月に掲載をやめました)。
4. 職種別データ(医師・弁護士・看護師など)
医師・歯科医師・看護師・薬剤師・診療放射線技師・臨床検査技師・理学療法士等・栄養士・法務従事者・公認会計士/税理士は、 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和6年)(職種)第1表の公表値から作成しています。 一般労働者・企業規模10人以上・産業計・男女計の値で、年収は きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額で出しています。 雇われて働く人の統計なので、開業医や事務所の経営者は含みません。 職種の区分は調査の小分類のとおりです(「法務従事者」には弁護士のほか弁理士・司法書士などが含まれます)。
診療科別の医師、勤務地別の警察官・消防士・教員など、公表統計に区分が無いものは掲載していません (以前は出典のない推計値を載せていましたが、2026年10月に掲載をやめました)。
地方公務員の職種別データ(福祉職・看護保健職など)
「地方公務員(福祉職)」のように団体ではなく職種を単位とするレコードと、 警察官・消防士・公立学校教員(小・中学校/高校)の全国平均は、 総務省「地方公務員給与実態調査」第5表(職種別職員の平均給与額)から作成しています。 全地方公共団体の合計値で、団体別の内訳ではありません。
年収(換算) = 給与月額合計 × 12 + 期末手当(年額)+ 勤勉手当(年額)
この表は期末手当・勤勉手当の年額が実額で公表されているため、 上の「2. 地方公務員の給与」と同じく、仮定の支給月数を使わずに済みます。 各レコードの注記に、換算に使った月額と手当の額を記載しています。
5. 年収診断が使っているデータ
年収診断は、統計から年収の分布を推計して、入力された年収の位置を出すページです。 法令の式で計算する手取りの計算・ふるさと納税の上限・退職金の計算と違い、 推計のしかたで結果が変わるため、使っている数字をここに全部書きます (ほかの3つの計算方法は、それぞれのページに書いています)。 出典はすべて厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」です。
都道府県 × 性別 × 年齢階級の年収
都道府県別第1表(都道府県、年齢階級別きまって支給する現金給与額、 所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)から、次の式で計算しています。
年収 = きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額
この3つの条件は掛け合わせではありません。 都道府県・性別・年齢階級を 組み合わせた値がそのまま公表されているので、公表値をそのまま使っています。
47都道府県ぶんを労働者数で加重平均すると、同調査が別途公表している全国値 (現金給与額 359.6千円、年間賞与 954.7千円)と一致することを毎回確認しています。
学歴の補正
学歴を加えた4条件の表は公表されていません。そこで 第3表(学歴、性、年齢階級別賃金)を第2表(性、年齢階級別賃金)で割った比率を 掛けています。このページで推計しているのはここだけです。
比率の元になっているのは所定内給与額(月額)なので、賞与の学歴差は反映されません。
分布の形
付表3(賃金階級、性、企業規模別労働者割合)に公表されている 実際の賃金階級別の割合を使っています。 対数正規分布などの仮定は置いていません。
ただしこれは月額所定内給与の分布です。賞与の差が乗る年収の散らばりは、 これより大きい可能性があります。つまり診断の偏差値は、実際より 50 に寄りやすい方向です。
実データとの比較
診断の後半で表示している「上場企業◯社中◯位相当」「◯◯県の公的機関で◯位相当」は 統計ではなく、このサイトが1件ずつ収録している実データを数えたものです。 出典は上の「1」〜「4」と同じです。
診断で分からないこと
- 対象は一般労働者(フルタイム)です。短時間労働者は含みません
- 都道府県は勤務地であり、居住地ではありません
- 職種・企業規模・役職は条件に入っていません。 同じ県・年齢・学歴でも、これらで年収は大きく変わります
- 学歴の区分は調査に合わせて高校・専門学校・高専短大・大学・大学院の5つです。 中学卒は令和2年調査から独立の区分ではなくなったため、選べません
6. 掲載しないと決めているもの
中央値・最低年収・最高年収
以前このサイトでは、平均年収に一定の倍率を掛けた値を「中央値」「最低年収」「最高年収」として 表示していました。これらは実測値ではなく機械的な計算値だったため、掲載を取りやめました。
有価証券報告書には年収の中央値や分布は記載されていません。 根拠のない数値を事実であるかのように示すことは、読者の判断を誤らせるため行いません。
現在、業種ページに表示している中央値は、その業種に属する組織の平均年収を集めた実データの分布から 算出した統計量であり、個々の組織内の年収分布とは別のものです。
明らかに誤りと判断した数値
自動取得の過程で、有価証券報告書の別の金額欄を誤って読み取ることがあります。 そのため、平均年収が 200万円未満または2,500万円超のレコードは、 桁の読み違いの可能性が高いものとして自動的に掲載対象から除外しています。
実データとして正しいことを個別に確認できた場合のみ、例外として掲載します。
7. 更新頻度
毎月1日に自動更新しています。EDINET には各社の決算期に応じて随時新しい有価証券報告書が 提出されるため、決算期の異なる企業のデータが同一ページ上に混在します。 各ページには「対象期間」として、その数値がどの事業年度のものかを記載しています。
8. 数値を読むときの注意
- 平均値は分布の偏りに弱い指標です。 少数の高額所得者がいると平均は大きく上振れします。
- 従業員数が極端に少ない組織の平均年収は、実態を代表しません。 該当するページには注記を表示しています。
- 同じ会社でも、単体と連結では数値が大きく変わります。 当サイトが掲載しているのは単体の値です。
- 転職後の年収を保証するものではありません。 実際の提示額は職種・役職・経験によって決まります。
9. 出典の表示について
EDINET および e-Stat のデータは、政府標準利用規約にもとづき出典を明示して利用しています。
- 出典:金融庁 EDINET(https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)
- 出典:総務省「地方公共団体別給与等の比較」 (https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/teiin-kyuuyo02.html)
- 出典:総務省「地方公務員給与実態調査」 (https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/kyuuyo_jc.html)
- 出典:人事院「国家公務員給与等実態調査」(https://www.jinji.go.jp/)
- 出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」 (https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html)
いずれも当サイトが加工・編集して掲載しているものであり、 各府省庁が公表したそのままの数値ではありません。
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