市役所・区役所・町村役場で働く職員の平均年収を、 全国1,721自治体すべてについて比較しました(指定都市を除く)。
数値は総務省「地方公共団体別給与等の比較」(令和7年)の 一般行政職の平均給与月額から年収に換算した値(公表値からの換算)です。 換算方法はデータの出典と算出方法に記載しています。
全体像
| 値 | |
|---|---|
| 収録自治体 | 1,721団体 |
| 平均 | 616万円 |
| 中央値 | 611万円 |
| 最高 | 770万円(小平市役所) |
| 最低 | 484万円(売木村役場) |
| 開き | 286万円(1.59倍) |
最高と最低で286万円、倍率にして1.59倍です。 同じ「市区町村職員」でも、勤務地によってこれだけ変わります。
上位に来るのは大都市圏の市部
上位に並ぶのは、首都圏・近畿圏・中京圏の市です。 厚木市・三鷹市・小金井市・芦屋市・豊田市といった名前が並びます。
東京23区は上位を独占していません。 23区の平均は702万円で 市区町村全体(616万円)よりは高いものの、 上位20自治体に入るのは2区だけです。
23区より上に来るのは、地域手当の支給割合が高く、かつ職員の平均年齢が高い市です。 23区は採用が安定していて平均年齢が40歳前後に保たれているのに対し、 これらの市は平均年齢がより高く、そのぶん平均給与も上がります。
差を生んでいるのは地域手当
地方公務員の給与は基本給(給料表)+各種手当で構成され、 地域差に最も直結するのが地域手当です。
地域手当は、民間賃金や物価の水準が高い地域に勤務する職員に支給されます。 東京23区の20%を上限に、地域ごとに段階的に設定されています。 支給割合0%の地域と20%の地域では、同じ級・同じ号給でも年収が2割変わります。
同じ仕事をしていても、勤務地によって年収が変わるのが地方公務員の給与制度です。 「その自治体が給与を高く(低く)設定している」のではなく、 制度がそう設計されているという理解が正確です。
下位に来るのは小規模な町村
下位に並ぶのは、人口規模の小さい町村や離島の自治体です。
- 地域手当の支給割合が0%または低い区分の地域が多い
- 職員数が少ないため、平均が個々の職員構成に左右されやすい
- 若い職員の比率が高いと平均年齢が下がり、平均給与も下がる
ただし、年収の低さがそのまま生活水準の低さを意味するわけではありません。 住居費をはじめとする生活コストは地域差が大きく、 可処分所得ベースでの比較は年収だけでは判断できません。
政令指定都市・都道府県との比較
| 区分 | 件数 | 平均年収 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| 政令指定都市 | 20 | 708万円 | 705万円 |
| 都道府県 | 47 | 673万円 | 671万円 |
| 市区町村 | 1,721 | 616万円 | 611万円 |
政令指定都市がいちばん高く、市区町村がいちばん低いという順です。 政令指定都市は人口50万人以上の大都市に限られ、 そのすべてが地域手当の支給割合が高い地域にあります。
ただしこれは平均どうしの比較であることに注意してください。 市区町村1,721団体には全国の町村が含まれるため裾野が広く、 上位の市は政令指定都市の平均(708万円)を上回ります。 市役所と県庁はどっちが年収が高いのかで 分布の重なりを検証しています。
数字を読むときの注意
- これは公表値からの換算です。 平均給与月額 × 12ヶ月に、同じ調査で公表されている期末・勤勉手当の年額(実額)を加えて換算しています。 期末・勤勉手当の支給月数は自治体ごとに異なります
- 対象は一般行政職です。 技術職・保育士・消防職・警察職などは含まれません。 これらは別の給料表が適用され、水準も異なります
- 在籍職員全体の平均です。新規採用職員の年収はこれよりかなり低く、 管理職はこれより高くなります
- 時間外勤務手当を含んだ平均です。 残業の多い部署の職員は実際の支給額がこれを上回ります
- 退職手当・共済年金は含みません。 生涯収入で比較する場合は別途考慮が必要です