「財務省は高い」「外務省は高い」といった話をよく見かけますが、 府省ごとの平均年収は、人事院も内閣人事局も公表していません。
年収ナビでも以前は、このページで府省ごとの年収を推計して並べていました。 しかしその数字は公表資料で確かめられないものだったため、2026年10月に取り下げました。 このページでは、公表されている実額だけで「国家公務員の年収は何で決まるか」を示します。
数値は人事院「国家公務員モデル給与例」(令和8年人事院勧告)によるものです。 出典はこちらの10ページです。
結論:年収を決めるのは「どの府省か」ではない
国家公務員の給与は、給与法にもとづく俸給表で決まります。 同じ俸給表が使われる職員なら、どの府省で働いていても、
- 役職(職務の級)と年齢(号俸)
- 勤務地(本府省か、地方の出先機関か)
が同じなら、ほぼ同じ給与になります。府省の名前で年収が変わるわけではありません。
役職・年齢・勤務地ごとのモデル給与
人事院が給与勧告で示している、行政職俸給表(一)のモデル給与です。
| 勤務先 | 役職 | 年齢 | 年間給与(現行) | 年間給与(勧告後) |
|---|---|---|---|---|
| 地方機関 | 係員(一般職試験(高卒)初任給) | 18歳 | 332万円 | 349万円 |
| 地方機関 | 係員(一般職試験(大卒)初任給) | 22歳 | 384万円 | 401万円 |
| 地方機関 | 係長 | 35歳 | 507万円 | 526万円 |
| 地方機関 | 係長 | 40歳 | 539万円 | 559万円 |
| 地方機関 | 課長 | 50歳 | 708万円 | 731万円 |
| 本府省 | 係員(総合職試験(大卒)初任給) | 22歳 | 494万円 | 515万円 |
| 本府省 | 係長 | 28歳 | 588万円 | 610万円 |
| 本府省 | 課長補佐 | 35歳 | 832万円 | 861万円 |
| 本府省 | 室長 | 40歳 | 1,105万円 | 1,138万円 |
| 本府省 | 課長 | 50歳 | 1,447万円 | 1,488万円 |
| 本府省 | 局長(指定職俸給表) | - | 1,939万円 | 2,003万円 |
| 本府省 | 事務次官(指定職俸給表) | - | 2,524万円 | 2,609万円 |
| 全体 | 平均 | - | 712万円 | 739万円 |
「現行」は今の給与、「勧告後」は令和8年人事院勧告どおりに改定された場合の額です。 行政職俸給表(一)の職員全体の平均は、現行で712万円、勧告後で739万円です。
本府省の課長補佐(35歳)で861万円、 課長(50歳)で1,488万円。 役職が上がるにつれて、年収は大きく変わります。
本府省と地方機関の差
同じ22歳の係員でも、
- 地方機関(一般職試験・大卒の初任給):401万円
- 本府省(総合職試験・大卒の初任給):515万円
と差があります。理由は主に2つです。
- 地域手当:本府省(東京都特別区)は20%。モデルでは地方機関には支給なし
- 本府省業務調整手当:本府省の職員だけに支給される手当
「どの府省か」より「霞が関で働くか、地方の出先機関で働くか」のほうが年収を左右します。
行政職以外の俸給表
国家公務員の俸給表は職務ごとに分かれています。 上のモデル給与は行政職俸給表(一)のもので、次の職員には別の表が使われます。
- 税務職俸給表:国税専門官など、税務署の職員。行政職(一)より水準が高い表です
- 公安職俸給表:警察庁の警察官、刑務官、入国警備官、海上保安官など
- 専門行政職俸給表:特許審査官、航空管制官など
- 特別職:裁判官・検察官・自衛官などは、それぞれ別の法律で給与が決まります
府省ごとの年収の違いに見えるものの多くは、どの俸給表の職員が多いかの違いです。
民間の分布に重ねると
当サイトは上場企業3,778社の平均年収を1社ずつ持っているので、 モデル給与(勧告後)を民間の分布に置いて位置を数えられます。
| モデル | 年間給与 | 上場企業3,778社の中での位置 | この額以上の企業数 |
|---|---|---|---|
| 本府省の係長(28歳) | 610万円 | 下位から36.9% | 2,383社 |
| 行政職(一)全体の平均 | 739万円 | 下位から67.8% | 1,215社 |
| 本府省の課長補佐(35歳) | 861万円 | 下位から85.8% | 538社 |
| 本府省の課長(50歳) | 1,488万円 | 下位から99.2% | 30社 |
上場企業の数字は会社全体の平均(平均年齢は会社ごとに違う)、 国家公務員の数字は特定の役職・年齢のモデルなので、厳密に同じ物差しではありません。 目安として見てください。
地方公務員と比べると
| 区分 | 件数 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 国家公務員(行政職俸給表(一)の職員全体・現行) | - | 712万円 |
| 政令指定都市 | 20 | 708万円 |
| 都道府県 | 47 | 673万円 |
| 市区町村 | 1,721 | 616万円 |
地方公務員の数字は、総務省「地方公共団体別給与等の比較」(令和7年)の一般行政職の平均給与月額から年収に換算した値(公表値からの換算)です。 算出のしかたが違うので、目安として見てください。 区分どうしの比較はどの公務員を受けるかで年収はどれだけ変わるかで詳しく扱っています。
数字を読むときの注意
- モデル給与は、俸給・地域手当・俸給の特別調整額(管理職手当)・本府省業務調整手当から計算されています。 住居手当・通勤手当・扶養手当・残業代は入っていません。 実際の年収はこれより高いのが普通です
- 勧告後の額は、給与法の改正が成立すると2026年4月に遡って適用されます
- 府省ごとの職員数(実数)は国家公務員の年収(一覧)に載せています
- 自分の級・号俸から計算するなら号俸から年収を計算が使えます