年収ナビは222の市区町村と47の都道府県庁について推計年収を掲載していますが、 全国1,741市区町村のすべてを収録できているわけではありません。

収録がない自治体を受けたい場合や、当サイトの推計値を検証したい場合は、 自治体自身が公表している一次資料を見るのが確実です。

実は、全国すべての地方公共団体が、給与に関する情報を統一様式で毎年公表しています。 この記事ではその探し方を説明します。

前提:地方公共団体には公表義務がある

2004年6月の地方公務員法改正により、 地方公共団体の長は人事行政の運営等の状況を毎年公表することが義務づけられました地方公務員法 第58条の2、2005年4月1日施行)。

これにもとづき、各自治体は次のような情報を統一様式で公表しています。

  • 職員の平均給料月額・平均給与月額
  • 地域手当の支給割合
  • ラスパイレス指数(国家公務員の給与水準を100としたときの指数)
  • 職員数、級別の職員構成
  • 期末手当・勤勉手当の支給月数
  • 特殊勤務手当、退職手当の算定方法

統一様式であることが重要です。 自治体ごとにバラバラの形式で出されていたら比較できませんが、 様式が揃っているため、自治体間の横並び比較ができます。

方法1:総務省の公表システムで横断的に見る(推奨)

もっとも早いのは総務省のシステムを使う方法です。

総務省 地方公共団体給与情報等公表システム

ここから全国の団体の公表情報にたどり着けます。 都道府県を選び、その中の市区町村を選ぶと、その自治体の公表ページに移動できます。

あわせて見ておきたいのが、総務省が毎年まとめている集計結果です。

総務省 給与・定員等の状況

こちらには全団体のラスパイレス指数・平均給料月額・地域手当支給率が 一覧の形で載っており、受験先が全国のどのあたりに位置するかを一目で確認できます。

方法2:自治体のサイトで直接探す

自治体名と次のキーワードを組み合わせて検索すると、公表ページに直接たどり着けます。

「◯◯市 給与・定員管理等について」 「◯◯市 人事行政の運営等の状況」

多くの自治体では「市政情報」「行政運営」「人事・給与」といった階層の下に置かれています。 PDFで公開されていることがほとんどです。

見るべき3つの数字

公表資料を開いたら、次の3つを押さえれば水準がわかります。

① 平均給与月額

「平均給料月額」と「平均給与月額」は別物なので注意してください。

  • 平均給料月額 … 基本給のみ。手当を含まない
  • 平均給与月額 … 給料に諸手当(地域手当・扶養手当・住居手当等)を加えたもの。 ただし時間外手当と期末・勤勉手当(ボーナス)は含まない

年収の見当をつけるなら平均給与月額を使います。 年収ナビも、この平均給与月額をもとに次の式で換算しています。

推計年収 = 平均給与月額 × (12 + 4.45)

4.45 は期末手当・勤勉手当の年間支給月数として用いている標準値です。 支給月数は自治体ごとに異なるため、公表資料に実際の支給月数が載っていれば、 そちらに置き換えたほうが精度が上がります。 算出の考え方は出典と算出方法に記載しています。

② 地域手当の支給割合

同じ職種・同じ経験年数でも、勤務地によって年収が変わる最大の要因がこれです。

民間賃金水準の高い地域ほど支給率が高く設定され、東京23区の20%が上限です。 支給率0%の自治体と20%の自治体では、基本給が同じでも年収に大きな差が出ます。

当サイトのデータでも、 市役所と県庁の年収比較で見たとおり、 上位を占めるのは市区町村も都道府県庁も大都市圏の団体でした。 「市か県か」より「どの地域か」が効くのは、この手当の設計によるものです。

③ ラスパイレス指数

国家公務員の給与水準を100としたときに、その自治体がどの水準にあるかを示す指数です。

100を超えていれば国家公務員より高く、下回っていれば低いということになります。 ただし、この指数は地域手当を含まない基本給ベースで計算されるのが一般的なので、 ラスパイレス指数が低くても、地域手当が高ければ実際の年収は高くなることがあります。 ①②と必ずセットで見てください。

数字を読むときの注意

公表資料を読むときに誤解しやすい点を挙げておきます。

  • 在籍職員全体の平均です。 新規採用職員はこれよりかなり低く、管理職はこれより高くなります。 「初任給」は別の項目として公表されているので、若手の実感に近い数字が知りたい場合はそちらを見てください
  • 職種が混ざっています。 一般行政職・技術職・保育士・消防職・技能労務職では 適用される給料表が異なります。多くの自治体は職種別の内訳も公表しているので、 志望する職種の欄を見たほうが正確です
  • 時間外手当は含まれません。 平均給与月額には入っていないため、 残業の多い部署では実際の支給額はこれを上回ります
  • 退職手当・共済年金は別枠です。 生涯収入で比較する場合は、公表資料の 「退職手当の算定方法」の欄もあわせて確認してください
  • 公表年度を確認してください。 通常は前年度の実績です

年収ナビの数値との関係

当サイトが掲載している市区町村・都道府県の年収は、 総務省「地方公務員給与実態調査」(e-Stat)の 平均給与月額をもとにした推計値であり、自治体が公表したそのままの数値ではありません。

したがって、当サイトの数値と自治体の公表資料が食い違うことがあります。 その場合は公表資料のほうが正確です。

当サイトの役割は、222自治体を1件ずつ並べて 「その自治体が全体のどのあたりに位置するか」を示すことにあります。 個別の正確な額は一次資料で、位置づけは当サイトで、と使い分けていただくのが確実です。

掲載内容に誤りを見つけられた場合は、お問い合わせからご連絡ください。 根拠となる公表資料をお知らせいただければ、確認のうえ速やかに訂正します。

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